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幹部は自身の役割を認識すること
事業部経営に携わる会社の幹部の心構え
幹部が重視すべき「全体最適」である全社方針より、枝葉である部門の状況を優先した「部分最適」では社長の方針が末端まで伝わらない。
仕事の不満やグチを言い合う一般社員と同じレベルであってはならない。「プレーヤー」でなく「マネージャー」である。
リーダーは手法や仕組みづくりに悩む前に、まずは自分がきちんと自身の役割を認識することの方が先である。いま一度、「わたしの部署の仕事は何?わたしの仕事は何?」と自問してみてはいかがだろうか。
人手不足解消法
人手不足を解消するためには、業務を「変動業務」と「固定業務」に分け、さらに「適正配置」を行う必要がある
1.変動・固定業務の明確化
変動業務とは、売上高や客数の増減によって作業量が増減する業務。
2.固定業務を省き適正配置を行う
時間、場面によって、どこまでの業務が必要であるかを明確にする。
ムダな業務を省かない限り、生産性は向上しない。
よく「現場100回」と言われるが、現場で実際の動きを見ていると、業務の流れがよく分かる。業務改善のためには常に「現場」を確認し、ムダを省くことが大切である。
成果主義と人材開発の関係
成果主義とは、高い目標の達成を目指す仕組みである。
成果主義を賃金配分の仕組みと捉え、評価と賃金の配分を行うための技術にしてしまっている単なる結果主義に陥っている企業。
成果主義を中小企業の現場に当てはめると、そのような困難な目標に挑戦する管理者層・社員層が育まれていない。
目標設定の不満
幹部社員から、「同じ管理職で目標設定に差があるのは不公平ではないか」。
失敗
成果主義を成功させるには
- ストレッチ目標(=最大限の努力で到達可能な目標)にする。
- 人事制度という仕組みだけでなく経営者自らが管理職の評価をする。
- 「リーダーシップ」が重要。
結局、リーダーや挑戦意欲のある社員が育つような風土づくりをしていくことが最重要課題なのである。
新入社員の早期戦力化
あいさつの重要性
- 相手の立場を尊重する「礼儀」である。礼儀はあいさつに始まり、あいさつに終わる。「一期一会」の心で誰よりも先に。
- 職場にあっては、相互にヤル気の合図でもある。大きな声であいさつをすれば、職場の仲間の合図となってリズムと活力を生み出す。
- 明るい人間関係をつくり出すものである。さわやかなあいさつは、人の心を結ぶ架け橋となる。上下関係はなく、微笑みを添えて実行しよう!
「報告・連絡・相談」の意義
- 仕事の締めくくりであり、次のステップの始まりであること。
- 業務の流れを円滑にする潤滑油であること。
- 「報・連・相」を行うことで、自分の仕事のやり方、考え方が整理され、上司の考え方、判断基準を理解することになり、自分を成長させる場となること。
- 相手の立場、役割が理解でき、チームワークを向上させる。
こうした「当たり前」の基本的なことが社風、風土として徹底されている会社が、伸びている会社である。
役割意識が品質向上へ
自分に与えられている役割を見つめ直し、その責務を果たすこと、また果たそうという強い思い
+
それぞれに与えられた役割に尊卑はなく、どの階層も必要であることを各自が自覚し行動する。
初めて質の高いものを提供することができる
最も価値の高い仕事
経営者や幹部にとって最も価値の高い仕事は
「社員の意識を変える」、もしくは「高いレベルで維持し続ける」ことだと考えている。
ところがこの"意識改革"が実に難しい。
部下の日常を思い出していただきたい。「報告をしない、整理整頓ができない、約束を守らない、時間にルーズ」など気になることはないだろうか?これら全ては人の行いであり、その行いはその人の意識次第である。実際ビジネスの世界では能力よりも意識の差が決め手となるケースが多い。
ところが、社員の懐に入ってまで意識を変えようとする経営者が意外に少ないのである。中間管理職などへの「人任せ」、あるいは「本人任せ」、しまいには「本人のせい」ということで諦めてしまっている。
もちろん、人は年齢を重ねるごとになかなか性格を変えられないというのも理解できる。しかしそれは、これまでの人生で経験したことが固定概念となって謙虚さを失くしてしまい、素直に人の話に耳を傾けたり、基本や原点に立ち戻れなくなったせいではないだろうか。言ってみれば年齢というよりもその人の意識の問題である。
さて、この意識を変えるには、それなりのショック療法が必要である。「タバコを止めなければ命を落としますよ」・・・医者からこのように言われたら、あなたはどうするだろうか。
「今のような考えや行動を真剣に改めてもらわないと、会社にいてもらう意味がないよ」・・・表現の仕方は考慮しなければならないが、こういった聞き流せないようなショックを社長や管理者が与えなければ、人は決して変わらないだろう。 本人が気づいて自ら変える(自己改革)ことに越したことはないが、それができないのであれば、上司が愛情を持って厳しく言い正すしかない。部下の意識を変える、高いレベルで維持させることこそ上司本来の仕事であり、それを避けてはいけない、逃げてはいけないということだ。
諦めてしまう前に、お互い真剣に向き合ったかを謙虚に反省すべきである。組織における改革は上層部から始まるもの。トップ自らが自己改革を行い、幹部の意識を変え、その幹部がさらに部下の意識を変える。組織の活性化は真に経営者・幹部にかかっている。
理念と実践
理念だけでは生きられないが、理念がなければ生きる資格がない。
これは、理念が立派でも実践不足であれば生き残ることは難しいが、理念がないのなら「生きる資格」がないということである。
良い成果を獲得し続けるためのボルテージを保つには、
存在目的や使命をハッキリさせ、強い理念を持ち続けること。ハート、熱き思い、強い目的意識があってこそ、知恵と工夫のエネルギーも湧いてくものだ。
苦しい時、「何のためにこの仕事をやっているのか?」と脳裏をよぎったなら、
公明正大な指針が必要だ。
「ビジョン」「使命」「自己実現」という高い欲求の到達目標である。
理念も実践も共に必要なものだ。それは、より多くの人々のためになる「良い成果」を実現するという使命感の確立と、現実的な問題解決のスキルアップに全社一丸となって取り組むことである。
上に立つ人の本音の利他精神と、不退転の実行力が強く求められる。