Contents
振り返り・検討・整理のポイント
事業領域
業績革新の着眼点⇒現在の事業領域自体が成長性・収益性を上げられる業界であるのかを検討し、事業領域のシフト・周辺領域への拡大・撤退の判断をする。
マーケット
業績革新の着眼点⇒標的ターゲットは明確か。また、そのターゲッティングの取り方は間違っていないか。自社が提供する付加価値を認め、購買力と成長力のある"ターゲット"とすべき顧客の特性は何かを検討する。
開発
業績革新の着眼点⇒ 売れる玉があるのか、陳腐化していないか、差別化ポイントはあるか。 商品開発、商材探し、サービス差別化を行い、新たな需要創造のため組織的に取り組んでいるかを検討する。
粗利率
業績革新の着眼点⇒利は元にあり、仕入利益を上げられているか。営業が販売現場で売り負けていないか。付加価値の取れる商品ミックス、商品の重点化が徹底されているか。
ビジネスモデル
業績革新の着眼点⇒構造的に利益が取れるようになっているか。BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)が必要でないか。ビジネスの全体像を俯瞰して再検討する。
オペレーション
業績革新の着眼点⇒経営資源の生産性が上がるオペレーションになっているか。工程・設備・動作・人材を改善する必要性はないかをチェックする。
外注活用
業績革新の着眼点⇒固定費の変動費化は図れないか。自社養成に時間とコストがかかる技術・工程を外部に任せられないか。外注の有効性を検討する。
管理利益
業績革新の着眼点⇒ミス・ロス・クレームによる工数や費用が発生していないか。
投資効率
業績革新の着眼点⇒経営資源全般への資金投入に対してのリターンを検討する。
ファイナンス
業績革新の着眼点⇒営業外の収益力はどうか。資金調達手法の見直しは必要ないか。資本力を活かして市場占有率を高められないかを検討する。
粗利益こそ企業の競争力
粗利率の高い企業には「考える習慣」が身についており、仕入れ交渉力、商品開発力、販売企画力などを徹底的に磨いている結果が、高粗利につながっているのではないだろうか。 では、中小企業においていかに粗利率を高めていけいばいいのか。
粗利率を高めるポイント
1.価格は自社が決めるという考えを持つ
法律で規制された商品以外は、自社で商品の価格を決めることが出来る。適正価格とは、「顧客が納得して購入してくれる価格」のことであり、安易に「安売り」に走らず、「どれだけ高く売ることが出来るか」ということを真剣に考えることがスタートラインである。「安売り慣れの脳死状態」になっていないか確認していただきたい。
2.粗利が取れる商品を開発(仕入)する
粗利が取れる商品とは、顧客が価格を知らない商品である。そのためには常にアンテナを高く持ち、情報収集することが必要である。 今の時代、顧客が知らない商品を探すのは難しいテーマであるが、掃除機機能とエアコンを組み合わせたパナソニックの「おそうじロボエアコン」のように、「既存技術(商品)」の組み合わせによって新しい商品を生み出すことは十分可能である。
3.提案と情報を付加する
顧客に対して「商品説明が必要な商品」は、その分高く販売することが出来る。化粧品もスーパーやコンビニで売られている商品は安いが、百貨店で美容部員が接客すると高く売れる。ポイントは、買い手より売り手の方が情報を持っていることである。 そういった商品に重点を絞り、自社の社員の提案力と情報力の強化を図りながら、高粗利商品を販売できる人材力を磨くことも必要である。
マネジメントサイクルは回っていますか?
マネジメントサイクル
PDCAサイクルが回っていれば仕事は日々進化し、同じ失敗や問題は起こらない。
- 計画を立て実行しているが、チェックが出来ていない。
- チェックまでは出来ているが、アクションが出来ていない⇒PDCAサイクルは回らない!
CA実行のポイント
結果を重視するということである。結果の前では言い訳は無用であり、厳しく現実を直視することから始まる。
次に原因分析
「なぜ」を繰り返すことによって本質に迫る。
本質に迫るためのポイント
プロセスを数値で押えることである。3点程度に原因を絞り込み、対策は誰が、何を、いつまでに実行するのかを具体的に決める。
収益モデルを徹底していますか?
創業者であるA氏のトップダウン経営で飛躍的に成長を遂げた。A氏は亡くなる直前、B氏を次期代表者に指名した。カリスマ創業者の背中を見て育ったB氏から聞いたのが、「人間万事塞 翁が馬(この世の全ての幸福や不幸は変転し予測できないことのたとえ)」 という言葉である。
リーダーは、ありとあらゆる場面でさまざまな危機に直面する。そのような状況になれば「もうだめだ・・・」と思い、マイナス発想になりそうなものだ。しかし、今起きている災いも長い目で見れば、良いのか悪いのかは分からないのである。
B氏は常に前向き・プラス思考で、リーダーとしての魅力にあふれているが、カリスマ創業者のマネはできないと言う。しかしB氏は1年中仕事のことを考え、「何をするか(どのような事業展開をするか)」もさることながら、「だれがやるか」と「人」にこだわっている。
そのため採用にこだわりを持ち、優秀な人材を採用しようと、志望者に対して自社の将来的なビジョン(会社がどこを目指して走っているのか)や求める人材像を語りかけている。
さまざまな新しい事業分野に挑戦し続けるB氏に学ぶべきポイントは次の3点にある。
- リーダーとして常に前向き・プラス思考
- リーダーとは常に問題意識を持って、最も考えている存在
- リーダーの使命は、今の社員より優秀な人材を採用すること
B氏のリーダー論は一例であり、人それぞれに違ったリーダー論を持っているであろう。しかし共通して言えることは、
どの世界でも"一流"と言われる人は「常に勝ち続けるため」に今を賭けており、個人のビジョンが確立されているからこそ、逆境から逃げないブレない強さを持っているということだ。
経営者・経営幹部はリーダーとしての強さを備え、「感性」「バランス」「人間力」を磨き、スキルアップを目指していただきたい。
執務基本の徹底
事務職が身につけるべき執務の基本
1.デスクワーク
- 仕事の優先順位を「お客様・上司・自分の仕事」の順で決める。
- 不必要な書類は分類し、すぐに処理する習慣をつける。
2.情報連絡
- 受けた情報は、口頭の時も必ずメモする習慣をつける。
- 情報を連絡すべき先と、内容、重要度、タイミングなどを考え手段を選ぶ。
3.書類への認印
- 書類には必ず日付と認印があり、ないものは書類とはいえない。認印を押印することは目を通した書類に対する「責任の所在」を明らかにすることであり、正確な執務をする上で必ず必要となる。
- 不明な点がある場合は押印せず、その内容を確認する。
4.ビジネス文書の修得
- できる限り簡潔に書き、内容は原則として1文書1件。
5.社内文書の取り扱い
- 配布物には、各人がわざわざ開ける必要のないようにパンチ穴を開けておく。つまり相手の立場に立った姿勢をとる。
- ホチキスは、左(または右)の上角の一個所に省略する。
6.メモの書き方・使い方
- 上司への伺いなど口頭だけではなく、要点を簡明にメモしたものをもって通知すること。
- 用件の確認、備忘、経過および措置を明確にし、後日の参考にするためのものである。 ○閲覧または処理を終えれば、作成者に返却する。
- 返事、所見、措置などその結果を朱記することにより、作成者に対して行き届いた処置となる。
報告できる人、できない人とは?
チームワークを高めて仕事をするために必要なのがコミュニケーションであり、正確な上司の判断に欠かせないのが部下からの報告・連絡・相談だ。
「報告」が満足にできていない企業が多い!
原因:
まずは「自分で何とかしよう」「上司や周囲を巻き込みたくない」と考え行動する。
「お客様第一」や「会社第一」「会社の信用第一」の考えが優先するのではない。残念ながら「自分第一」「自分が一番」なのである。
これが「顧客(他人)のせいにし、自分を正当化する」状態になると、その後のクレーム対処である事実関係の確認、原因の追究や善後策、今後の再発防止策づくりの妨げになる。
解決策
報告・相談の重要性、目的や意義を理解させることだ。
<報告・相談の重要性・目的・意義>
1.業務の流れを円滑にする潤滑油である
会社・部門の共通目標に全ての流れを集約し、総合力を発揮させる神経系統である。
2.仕事の能力を向上させる場である
報告や相談を行うことにより、自分の仕事についてのやり方・考え方が整理され、また相手の考え方・要望を素直に聞くことが、成長につながる。
3.チームワークを学ぶ場である
相手の立場と考え方を知り、その中で自分の役割を考え、全社的な視野に立って自らが果たすべき責任を発見することができる。
自分を変え、リズムを変え、流れを変えるためにも、チーム全員を「報告上手」に生まれ変わらせよう。