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経営者の時間管理術とは?
経営者にはなすべきことが山ほどある。お得意様や株主、従業員、仕入れ先、役員など、すべてのステークホルダーの幸せを最大限求め続けるためには、1日24時間フル稼働したとしても十分ではない。
そこで経営者は、限られた時間で最大限の成果を上げるための"時間管理術"を身に付ける必要がある。今回は、経営者の"時間管理術"について述べたい。
1.明確な価値判断基準によって優先順位を付ける
経営者の仕事はすべて重要である。しかし、それらは同時にはできない。したがって、1つずつ片付けることになる。そこで重要となるのが、明確な価値判断基準に基づいた、仕事の優先順位の付け方である。
価値判断基準は、冒頭の「すべてのステークホルダーの幸せを最大限求め続ける」ということから考えるべきだ。会社が成長し、存続していくために、なすべきことを最優先事項に据えなければならない。そして「攻め」と「守り」の仕事を均等に時間配分する必要がある。
2.集中できる時間を確保する
経営者の仕事は、意思決定にかかわるものがほとんどを占める。このため、集中して考え、判断を下す必要がある。それにはだれにも邪魔されず、集中できる時間を確保しなければならない。だれからも連絡が入らない早朝や深夜、あるいは移動時間などを活用することである。
3.判断は社長が行い、行動は幹部に任せる
判断を下すことは社長の仕事である。だが、それを実行するのは幹部以下、社員の仕事である。時には旗振り役として社長が先陣を切って行動する必要もあるが、大半の仕事は幹部に権限委譲して任せていく必要がある。経営者は幹部が行き詰まった時に出て行けばいいのだ。
会社の規模が大きくなればなるほど、経営者の意思決定の仕事は増えてくる。
仕事を任せられる幹部社員を育てることは、経営者の任務でもある。
経営者が理想論を語ること
大きなビジョンを描いたり、高い目標を掲げることは、成功するために不可欠だとされている。しかし、それを公言するかどうかについては、賛否両論があるようだ。
賛成
公に宣言することで、どうしても達成せざるを得なくなるように自分を追い込む効果があると主張する。
反対
嫉妬などで妨害されるから、心の中に秘めておくべきだとする。
正解
状況に応じて
リソー教育の岩佐実次会長兼社長
「経営者が社外で自分の理想論を語るのはほどほどにしたほうがいい」というコメントが紹介 されている。
社外で自社の言い分を訴えるには、「格好いいことを言うよりも、まずは合格実績や受講者獲得実績を示すこと」だという。
理想論「本気」か、それとも「逃げ」なのか
理想論は「経営者の逃げになる」単なる格好つけだけではなく、現実を直視したくない気持ちの現われ。
理想論を語ることは、大きなビジョンや目標を語ることにも通じるだろう。しかし、語るばかりで、さっぱり実行が伴わない人も多いようだ。
成功本は世の中には、成功本の類を読み漁る人たちがいる。そこには、ビジョンや目標を掲げれば、成功できるとある。しかしそれは、必要条件であっても十分条件というわけではない。
成功を夢見ることは大切だ。しかし人は、夢の中で生きるわけではない。いくら成功を夢見ても、それは現実の成功ではないのだ。 多くの成功本には、行動を起こすことの大切さが書かれているはずだが、なぜか読み飛ばされてしまうようだ。
夢を見るというのは、心地よい。だからそこに、逃げ込みたくなる。ビジョンや理想論を語るなら、本気でそれを実現しようと考えているのか、それとも「逃げ」なのか、自らチェックしてみることが必要だ。
赤字を黒字に転換させる
単純に言えば、儲かっていないビジネスはやめ、儲かっているビジネスに集中すればよい。それをキチンと実行できれば、業績はしっかりと回復する。
利益率が高く、よく売れている商品があれば、それをどんどん伸ばしていく。逆に、利益率が低く、売上も芳しくない商品があれば、ラインアップからはずしていく。それが基本だ。
しかし現実は、必ずしもそのような判断にはならない。売れている商品については、「これで良し」と安心してしまう。本当はもっと売れるのに、もったいないことだ。
逆に、売れていない商品を問題視して、何とかもっと売ろうとして経営資源を投入する。売れている商品と比べれば、費用対効果の面では疑問視せざるを得ない。
単純に利益や売上だけの問題ではなく、中長期的な戦略を踏まえれば、それも間違いでない。
シェアが低い、すなわち売上が芳しくないとすれば、やめてしまえという考え方もできるが、伸ばす余地があると考えることもできる。それだけでどちらが間違っているとは言えず、それは判断の根拠次第だ。
ポイントは「競争力」があるかどうかだ。
一般的に、売上不振は競争力が低いことの表れだ。利益率の低さも、価格競争に対応せざるを得ないからであり、それもまた競争力の低さの反映となる。
しかし、本来の競争力に比して、著しくシェアが低いとすれば、伸びる余地は大きいという判断になる。伸びるかどうかの判断の根拠は、市場シェアと競争力との対比にある。
「設計図」は世界に一つだけ、隣の会社の「設計図」は使えない
成長している企業の「設計図」をマネしても、なぜか会社は伸びない。
それもそのはず、『あなたの会社の「設計図」は世界に一つ』しか存在しません。
会社が違えば、デキル社員の定義も異なります。その会社のビジネスに必要なスキル、マインド、コミュニケーション...。これら全てが同じ会社は、世界に二つとありません。
あなたの会社が本当に必要なのはどんな設計図かを考えることが大切です。
自社を「何屋」と定義するか
新分野への展開が容易かどうかは、活動領域の「壁」の厚さが影響する。「壁」が厚ければ、なかなか打破することはできない。「勝ち組」は、「壁」の存在に対する意識は希薄だと言えるだろう。
「壁」や「限界」を設定するのは、自分自身のマインドセットに他ならない。企業の事業展開についても同じだ。企業のマインドセットとは、自社を「何屋」だと考えるかだ。
時代の流れに乗り遅れてしまうようなマインドセット、すなわち自社が「何屋」だという定義に失敗すると、淘汰されてしまう危険性があるということになる。マインドセットが普遍的かどうか、検討してみる必要があるだろう。
老舗の秘訣
日本は、世界の中で老舗企業の多い国として知られています。老舗の老舗たるゆえん、これには色々な条件や要素が考えられますが、私は次に紹介する二つの言葉に集約できると思います。
『伝統は革新の連続』
単に伝統に甘えることなく、時代に合わせて変えていく(=革新)ことができているからこそ、長く続いているのだと思います。
『老舗っていうのは、客を大事にする店のことを言う』
利益を大事にして顧客を大事にしない企業が、社会から大事にされるわけがありません。
皆さま方の会社では日々、問い直していますか?
「自社は変化しているか?」
「自社の真の顧客は誰か?」
「その顧客が認める自社の提供する価値は何か?」
「自社の顧客をどんなに大事にしているか?」
どうやら、これを繰り返すことが100年、そして500年続く秘訣のように思います。
あなたは、会社の体質を把握できているか?
<財務診断でわかること>
- 資金繰り表によると、営業キャッシュフロー、営業収支はプラスなのだからリスケで資金繰りがまわることが明らか。
- このままだと、会社の現預金は数カ月後には底をつくが、決算書から新規借入が無理なのは明らか。リスケジュールだけでなく赤字事業撤退を同時に進めることができれば、資金繰りのメドはつく。
- 事業の赤字を解消すべく、新規事業を計画しているものの具体的な計画、特に資金計画がないため借入はまず無理だが、資金繰り表によると、ひとまずリスケジュールで資金繰りを落ち着かせることはできる。
あなたの会社にお金を貸している、銀行をはじめとする金融機関は財務分析で得られた情報をベースにするのか?
財務分析は「一定のルールでつくられその会社に融資を行うかどうかを検討する、金融機関といった外部の組織、つまり社外の人間がその会社を知ろうとした場合、少なくとも当初の段階では最も客観性を有するからです。
- 決算書は過去の体質分析
- 試算表で現在の体質を分析
- 資金繰り(計画)表は将来を分析
上記3点を揃えれば銀行対応は一通りできる、ということはおさえてください。