財務で押さえておきたいノウハウ

部門利益管理で業績UPする

まず、大切なのは、月次損益です。

経営の出発点としては、売上げではなく、利益の状況を毎月の推移で把握しておくことが、非常に大切になってきます。 なぜなら、利益の配分が企業の将来を決めるからです。

配分の一般的な大きな内訳

  1. 将来への投資原資
  2. 内部留保
  3. 返済
  4. 税金
  5. 従業員への還元 の5つ

※特に、従業員への還元には、注意が必要です。

例えば、従業員に対して、何かの拍子に、今年はボーナスを 出すという言葉を経営者が従業員に言ったとします。
その言葉を経営者は、忘れたとしても、必ず従業員は必ず覚えています。
そして、決算の時期になり、利益が予想より低く、ボーナスを見送った とすると、従業員のモチベーションはどうなるでしょうか?

『社長は言ったことを守らない。』と、 従業員の社長に対する信頼関係というのは、大きく崩れてしまいます。
こういった事が起こらないようにするためにも、 経営者は毎月の利益状況を把握しなければなりません。
利益予想をし、効果的な昇級・昇格を考えるのは、経営者しかできない 仕事ですし、会社の舵取りを行う上で、経理部門の強化・透明性というのは、 企業が発展していく上で非常に大きなウエイトを占める要素であることは 間違いありません。

■その上で、部門レベルの利益管理も非常に大切になってきます。

今後は部門別に経営者を育てる感覚で、営業利益ベースでの予算・実績によって人を評価する仕組みに変えていかないと、部門営業ベースでのコントロールが難しくなってきます。

その為には

現在、顧問先では、部門別にメインバイヤー制度を引き、部門担当者に販売・買取・売場・在庫のマネジメントを行って頂いています。
売上・粗利率・粗利額・買取額・営業利益額・在庫・回転率を 予算化し、実績と比較して月の会議をするようにしています。

この会議のねらいは、部門担当者の経営者意識の植え付けです。

もうひとつのねらいは、経営者に従業員に対する目標を 明確化して頂くことです。

経営者も今まで数値で把握されていない会社が多いので、どこが正解かを 迷われている部分があります。それでは、現場の方も迷われるのは仕方が ありません。特に、売上げ予算の設定、粗利率予算の設定、回転率予算の設定は、商売の仕方そのものになります。
要するに、自社の商売の仕方を決定して頂くのです。

■この目標値(自社の答えを)設定をして、毎月の動きを捉えていくことが、第一ステップとしては、非常に大切になってきます。

売上・・・どれだけ客と広くつきあっているか?
粗利率・・・どれだけ客と深くつきあっているか?
回転率・・・どれだけ客と早くつきあっているか?

この3つの指標は、全ての小売業で非常に大切になってきます。

次に、こういった部門利益を正確に算出しようすると、棚卸しの頻度が大切になってきます。ひどい会社になると、年1回の棚卸しだけという事になりますが、これでは、年間の利益予想が立ちません。顧問先でも毎月棚卸しを行っている所も ありますが、最低限、年に4回、四半期に1回は棚卸しをするようにお伝えしています。

そうしないと

部門利益が確定しないし、部門別の対策が遅れてしまうからです。
また、棚卸しをするメリットとしては、担当者に在庫の把握をしてもらうこともさることながら、売場がきれいになることもあります。売場の端から端まで実棚卸しを行うので、普段なら見えにくい部分にまで、手が入るので、長期在庫の把握になったり、整理・整頓につながったりします。

ぜひ、部門利益管理をすすめながら、スタッフのレベルアップにつなげられてはいかがでしょうか?

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