営業を管理するために必要な要素とは?

営業管理がうまくいかない理由とは?

営業管理がうまく機能しない大半の理由

  • プロセス管理
  • 情報管理
  • 先行管理の発想がない

もしくは発想はあっても徹底の度合いが弱いためである。

営業管理をうまく機能させるポイント
1.管理基準の設定
(1)生産性基準
生産性基準はわかりやすく、行動基準とリンクしたものでなければならない。あれもこれもと設定せず、3~5項目程度に絞ること。

例:営業社員1人当たりの月間受注額(売上高)、粗利益率、見積り・新規開拓・有効面談件数

2)行動基準
生産性基準を達成するための行動基準を設定する。

例:月間見積もり目標数5件を達成するための行動基準を設定

a.訪問行動基準
 月間訪問件数・・・100件
 有効面談件数・・・80件

b.ランク別訪問基準と手持ち情報数

ランク 受注期間 訪問基準 手持ち情報数
A 当月受注 1回/週 10
B 1カ月以内受注 3回/月 60
C 3カ月以内 1~2回/月 30

c.販促活動基準(例)

販促活動 実施回数
DM・FAX発信 30通/週
TELフォロー 20社/週
個別デモ 3社/月
ユーザー説明会 1回/2カ月
展示会 1回/3カ月

2.チェックの実施

現場レベルでの実行・徹底を図るため、設定した基準と実績を毎日チェックする。

3.行動基準を「ボード化」「見える化」する
行動基準を"ボード化"して壁に張り出すと良い。営業社員を追い込む目的ではなく、あくまでも「行動基準を意識し、行動を変えるためのもの」という趣旨・目的を、誤解を与えないよう十分に伝えておく必要がある。

4.先行で行動計画を組み立てる
週末までに翌週の行動計画を上司へ提出する。上司は「行動基準通りか」「6W3H」(だれに何をどうやって提案するか)をチェックし、的確なアドバイスをする。この行動計画も「ボード化」「見える化」し、「誰がどこへ行っているのか」が全員にわかるようにする。

営業社員の行動をブラックボックスにしてはならない。さらに行動を意識させるため、日報チェックや毎日の受注結果発表などを行うと効果的である。

営業管理の見える化とは何か?

見える化⇒情報を共有するため"見える"ようにすること

"見える化"の目的は、企業と営業社員の現状によって変わってくる。目的に応じて、方法も変えていくことが必要である。大きく4パターンに分けてみます。

(1)業績向上、やる気が高い企業
A社では、12カ月の目標達成の勝敗を掲げている。2月から始まり、現在「4勝0敗」である。掲げているのは毎月の勝敗と個人別実績であり、「今年も全勝」が合言葉である。

(2)業績向上、やる気維持または減少企業
業績は向上しているものの、やる気は変わらない、または減少している営業社員が多く存在するB社では、「個人別」から「チーム別」の実績表に変えた。
それによりチームリーダーは、チーム一丸となるように「チームワーク」を重視し始めた。個人攻撃ではなく、チームがどうすれば目標達成できるかを考え、それにメンバーも答えるようになってきた。

(3)業績減少、やる気が高い企業
業績は減少、低迷している企業でも、営業社員のやる気が高いC社では、「新規アタック先」、「既存先のスキマ表」でターゲット先を明確にし、「期限:いつまでに」を徹底チェックしている。新規先は「いつ、初訪」、既存先は「いつ、何を」をそれぞれ決め、実行している。

(4)業績減少、やる気減少企業
業績、営業社員のやる気ともに減少傾向にあるD社は、試行錯誤の末、各営業社員の特性により、「新規開拓グラフ」、「既存先スキマ表」、「粗利益率グラフ」のうち1つを選択し、個人別グラフを作った。

"見える化"は、「何を」管理するかである。先行管理もしかり、「何を軸」にするかで管理の方法が変わる。企業、営業社員の現状、特性を把握し、「軸」を決めて"見える化"を進めていただきたい。

営業のプロセスを改革しよう

プロセス改革3ステップとは?

"プロセス管理モドキ"を行っているだけで、本当のプロセス管理ができていないことが多い。今回は、実際に導入を成功した"プロセス改革3ステップ"について説明する。

第1ステップ:現状認識
営業プロセス改革を行う際に、まず初めに着手すべきことはプロセスを分解することである。ここでの注意点は、単純に訪問件数や見積もり件数、決定率だけを見るのではなく、営業プロセスを細かく順序立てて分解することが求められる。

例えば商社新規営業の勝利の方程式は、『訪問件数×キーマン面談率×引合い率×対応可能率×決定率×単価』となる。
ここで引合い率が低ければ、キーマンに面談はできているが、何らかの理由でそのキーマンからの引合いがきていないということがわかる。つまり、受注に至らないボトルネックは「キーマンへの提案力」だと考えられる。 このように細かく分解してボトルネックを見つけることが、プロセス改革の第一ボタンとなる。

第2ステップ:重要業績評価指標(KPI)の設定
現状認識の結果に基づいた、重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicators)の設定である。例えばキーマン面談率やプレゼンテーション率、決定率などが多く採用されている。設定する際の注意点は、カウントしやすい指標、ボトルネックを改善させるための指標にしなければならない。営業担当者に意識させ、追求させる指標とすることこそが第2ステップでは最重要事項である。

第3ステップ:見える化による運用
「営業の見える化」と言うと、すぐに棒グラフなどで個人別実績を壁に張り出すことを思い浮かべる向きがあるかもしれないが、それだけでは決してプロセス改革は達成できない。

達成度合いを営業担当者に意識させる、社内のライバルとの差を明確にすることで発奮させるという意味では、グラフを張り出すことも確かに効果的ではある。しかし、今回は運用面を重視していただきたい。つまり、 社員のモチベーションをアップさせるための工夫をしてほしい。

例えば競馬に見立てた表を作成し、KPI目標達成進捗率100%をゴールとして競わせるような遊び心も時には必要だ。また、商談スキルが低いメンバーが多い場合であれば、朝礼の後に毎日、全メンバーで商談ロールプレイングを実施するのも効果的である。こうすることでトップセールス、あるいは上司の営業ノウハウを若手が盗む機会にもなる。紹介したように運用面に重点を置き、KPI達成率やノウハウ、スキルを見える化することが必要である。

営業は結果が出なければ、いくら労力を費やしても価値がないのである。 全社レベルでのプロセス改革で労力のムダ遣いをなくし、営業全体の底上げをしていただきたい。

成績の良い営業マンを褒めよう

褒める!

良いユーザーを持てば数字もあがりますし、逆 に厳しいユーザーを持つと数字はあがりません。 しかし、「担当しているユーザーが良いから数字があがるんだ」などといった話が、間違いでもでるようになっ ては、会社として終わりです。
営業マンとして実力があるから、良いユーザーを持てる、力があるから良いユ ーザーを持てるんだ、という前提でマネジメントしていかないと、組織は不活性化するでしょう。

そこで大切なのは「集団コミュニケーション」です。

経営者はなぜ彼がVIPユーザーを担当していて、彼の働きぶりがいかにすばらしいか、という具体的な話をあらゆる場でしなければならない。 あらゆる場、というのは営業会議やミーティングが中心になるのでしょうが、朝礼であったり飲みの席もです。
「褒める」ということは 非常に重要で、部内のトップセールス、そしてモデル社員がどのような動きをして営業しているのか、経営者は同行するなどして観察し、それを全体の前で「褒める」という形をとって「集団コミュニケーション」をとらなければいけません。そして、トップセールスの彼は、単に担当ユーザーが良いから数字があがるのではなく、実力も高いのだと、実力が高いから良いユーザーを持てるのだという共通認識を植えつけなければなりません。

数字が上がったということは本人の付加価値が高いということであり、これは褒めてやらなければいけません。しかも、全員が共通認識できるように褒めてやるべきです。全員の前で、彼のどこがどのように素晴らしいのか、具体的に褒めてやり、その動き方を全員に知らしめてテクニックを伝授することにより、全員のスキアップにつなげていくわけです。

個人営業目標を早期に達成させるポイントとは

先日、毎月開催しているA社の営業会議において、Bさんは今期も4ヵ月を残して個人目標の達成を確実にした。残りの4ヵ月は来期に向けた種まきとしての活動ができるのである。

早期目標達成のポイント⇒先行管理の徹底にある

A社の営業会議では先月の結果の確認で終わるのではなく、常に先行6ヵ月もしくは期末までの累計目標差額の確認と対策の検討を行っている。

先行管理の本質とは⇒先を読み、先に手を打つ先手必勝の仕組みづくり

早期目標達成のポイント
スピード:先を読みながら後回しにせず常にスピード対応を心がけている。また、受注確定までスピードを緩めず推し進めていくことも大切である。
準備 :これも先を読み余裕を持って準備を徹底するのだそうだ。余裕があるのでさまざまな場面を想定し準備ができる。Bさんの言葉を借りると「これでもか」というくらい準備するそうだ。提案ツールは勿論、お客様が来社される時にはそのお客様に関係のあるもの、話題に上りそうなものをそっとディスプレイするという徹底ぶりである。

営業活動の着眼点を再確認しよう!

  1. 自分の営業目標における6ヵ月先行累計差額を認識しているか
  2. 目先対応に追われ近視眼的になっていないか
  3. 先を読み、その上で今やるべきことを明確にできているか
  4. 受注確定までスピードを緩めず、一気に推し進めているか
  5. 余裕を持った準備期間を持ち、「これでもか」というくらいの準備ができているか

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